うつ病の治療中。
『抗不安薬依存症』になってしまう人は少なくないはずσ(^_^;)
ぼくの母親も依存症気味になってしまった経験があります。
元々薬嫌いな母が不安そうに薬を常に手に握りしめて持っている状況に、僕は側でみていて息苦しさを感じるほど辛かったです。うつ病と抗不安薬依存症は切っても切り離せない部分もあるのでしょう。
「即効性があって便利で有用な薬なのでついつい多用してしまう」
「減薬どころかドンドン強い薬を求めてしまう」
そんな状態で困っている人も多いかもしれません。
そして『薬』の種類は異なりますが、皆さんもご存知の様に『違法な薬物』で有名人が度々逮捕される事件も起こります。
その度、薬物依存は本当に怖い。。。
そう強く感じるでしょう。ですが、そこには多々『依存症』に対する誤解も含まれている気がします。
今日は『依存症』についてのお話し。
特に家族・恋人が『抗不安薬依存症』気味になっている方に少しでも参考になって頂ければ幸いです。
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【薬物依存】の一番の原因は孤独
ジョハン・ハリさんがTEDでスピーチした内容が非常に大きな示唆に富んでいるのでご紹介します。違法薬物を非犯罪化(制限はあるが使用を認める政策)することによって、薬物依存・中毒者数を劇的に減らしたポルトガルで起きたお話しがメインです。
(結構長いお話しなので一部引用しながら簡易的にまとめさせて頂きますね)
彼は結論としてこのような言葉でスピーチを締めています。
「依存症」の対極にあるのは 「しらふ」ではないんですよ。
「依存症」の反対は 「繋がり」なのです
「君は1人じゃないよ 愛されているんだよ」という言葉を信じられたのなら、重大な依存症になる人は決していない。と主張しています。そして依存症の患者さんと家族・恋人・友人そして社会への繋がりの大切さを説明されています。
依存症は『薬』のせいだけではない4つの理由
①医療用モルヒネではなぜ依存症が起こらないのか?
事故に遭い 股関節を骨折したとします 病院に運ばれて 大量の ジアセチルモルヒネを打たれるでしょう この薬はヘロインです その辺の道端で買えるのより ずっといいヘロインです 麻薬の売人が売ってるのは 混じり物入りで 実際のヘロイン成分はごく少量です
➁『孤独な檻のネズミ』と『仲間がいる檻のネズミ』の実験
独房状態のオリではほぼ100% 過剰摂取(ヘロインを含んだ水)したのに対し、 ネズミが幸せに社会生活を営む オリの中では0%だったのです(ヘロインを含まない水を選んで飲んだ)
➂ベトナム戦争でヘロインを大量に使用していたアメリカ兵の帰国後
「大変だ 終戦後には アメリカの街中に何十万人の ジャンキーが溢れてしまう」 そう思って全く当然ですね ヘロインを大量に摂っていた兵士達は 追跡調査を受け 総合精神医学誌が非常に綿密な 研究を行いました さてどうなったでしょう? 兵士たちに更生施設は必要なく 禁断症状も出ませんでした 95%がクスリをパッと止めたのです 。
④ポルトガルでの違法薬物を非犯罪化した政策の効果(2001~)
「マリファナから覚せい剤まであらゆる薬物を非犯罪化するしかし」 ―この次の段階が 非常に肝心なのですがー 「今まで依存症患者を 社会から切り離し疎外するために 費やしてきた金を 患者を社会に再び迎え入れるために 遣うこととする」
実験が始まってから 今年で15年経ちますが 結果が出ています ポルトガルでの 注射器系の薬物使用は英国犯罪学会の発表によれば 何と50%も減少、薬物の過剰摂取は大幅減 患者のHIVも大幅に減りましたあらゆる調査結果において薬物依存が大幅減少したのです
引用元:ジョハン・ハリ: 「依存症」―間違いだらけの常識 | TED Talk Subtitles and Transcript | TED.com
以上の4つの実例をあげながら、いままでの常識は間違っていたのではないか?と問題提起をするスピーチでした。ぼくはかなり衝撃を受けました^^;
『依存症』を薬のせい、服用者自身のせいにしていては決して解決できない問題かもしれませんね。今はその傾向が強すぎる事が本質的な問題なのでしょう。
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家族・恋人・友人・社会の理解は大きい
このスピーチを聞いて本当にその事を実感しました。
薬だけではなく、全ての『依存症』は『繋がり』で解決できる可能性が非常に高いのでしょう。むしろ『依存症』になるのは、周りの環境に問題があるのが原因なのかもしれませんね。
「依存症」の対極にあるのは 「しらふ」ではないんですよ。
「依存症」の反対は 「繋がり」なのです
この言葉は非常に重いですが、ぼくはしっかり受け止めるべきものだと感じます。
もしお時間が許すのであれば彼のスピーチを聞いてみては如何でしょうか?
きっとあなたもなにか感じるものがあると思います。
すみません。ほんともう『抗不安薬』からは話が脱線しすぎてますよね?^^;
でもこのお話しを聞いて、一人でも多く依存症から抜け出せる人・依存症にならないで済む人が増えたらいいなと思います◎
それだけの力があるスピーチだと感じたのでここで紹介させて頂きました。
『繋がり』があれば『抗不安薬依存症』は全く怖いものではないのです。